バラの育て方
庭栽培の基礎知識
栽培に好ましい場所を選ぶ
 まず、栽培するに好ましい場所を選びます。その条件は、次の通りです。
@ 日当たりが良いこと。
A 水はけの良いこと。
B 風通しが良いこと。
この3点が基本になります。
日当たりが良く風通しが良い場所が最適ですが、それが無理でも、1日最低3〜4時間、
日の当たるところなら大丈夫です。どちらかと言えばバラは午後だけよりも午前中
の光を好みます。
植える場所と土を整えて、スタートしましょう。
土壌の改良
 次に庭の土だけの場所に植えてもなかなか生育しないので、土壌改良をします。
腐葉土とか堆肥、その他の有機繊維質を入れて、水はけを良くすることと同時に、
水もちも良くします。これは、土を団粒化することになります。
植え付けの準備
芽の上5mmくらいまで切り戻す
細い枝は
切り取る
植えつける前、根をほどき、2〜3時間水につける。
 まず、苗の接ぎ目に巻かれたビニールテープを手で剥がします。次に右図のように枝の整理を行います。そして、根に巻きつけてある水後家を取り除いてからバケツの水の中でそっと根をほぐします。
そのまま2〜3時間おき、、根が伸びるのを待って植え付けに掛かりま
*買い求めてきてすぐに植えつけられない場合でも水を切らしてカラカラにしないようにご注意してください.
鉢に仮植えすると良いかと思います。
    (仮植えの場合、肥料は不要です。)
@ 直径50cm、深さ60cmの穴を
掘り、掘り上げた土はほぐしておく。
何株も植える場合は、間隔80〜
120cmを基本に植えつける。
A 堆肥または乾燥牛糞をスコップ
2杯以上入れ、穴の廻りや底の土を
少しくずして混ぜて,さらに油粕、骨粉,
過リン酸石灰かく300gをよくまぜる。
B 掘り上げてある土をスコップ3杯分と
溶成リン肥50〜100gを良く混ぜ、
こんもりと盛り上げるように乗せる。
C 片足で槌の表面を軽く
踏みながら山形にします。
D 根を植えつけ前に3分1ほどカットします、根の先を四方に広げ、接ぎ目が地表より3cm位高くなるように大苗を土の上に置きます。
E 掘り上げてある土を周りから少し
ずつ穴に入れ、根がすっかり隠れる
ようにします。
F バケツ2杯分の水を、苗木の
周りを時間をかけて、静かに少し
ずつ注いでください。
G 水が引いたら、さらに土を周りからかけ、接ぎ目がやや隠れるくらいに盛り上げて、手で押さえてやります。
H 細枝や枯れ枝を切り落とし、支柱3本の先端を結束し、品種のらべるをたてる。マルチング、薬剤散布も忘れずに。
 [栽培ポイント@]
 苗木は、乾燥や急激な温度変化が苦手です。株元に半径40cmくらいに、わら,刈り芝,ピートモス等を思いきって厚め(3cmくらい)にしいて下さい。
 [栽培ポイントA]
 苗木の植え付け後に、殺虫剤、殺菌剤の散布をしてください。苗木だけでなく、周りの土や支柱にもじゅうぶんに。春からの害虫を予防できます。         
バラ苗の植えつけ方
バラの苗は、11月〜2月に出回る大苗と4〜6月に出回る新苗があります。
生産者のもとで1年以上育てられ、新苗に比べて丈夫な大苗のほうが扱いやすいです。
植えつけ順序
鉢植えの場合
 鉢は、通気性や排水性の良いプラスッチク鉢,、駄温鉢、または素焼鉢などが最適です。
 バラは育成が早く、肥料分の消耗も早いので、育ちの良い株なら、12月下旬〜2月に一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。
 四季咲大輪系(HTローズ)・・・・・・7〜8号鉢
 四季咲中輪房咲系(FLローズ)・・・7〜8号鉢
 オールドローズ・・・・・・・・・・・・・・・6〜7号鉢
 つるバラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10号以上の鉢
 ミニ バラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4〜6号鉢

植えつけ方
植えつけ前の準備は、すべて庭植えと同じプロセスです。
植えつけ順序
@鉢底の穴に防虫網を
しき、ごろ土を入れます。
A[赤玉土4、乾燥牛糞1]の用土を鉢の1/3量山形に入れます。その上に、枝を切り詰めた苗を根を四方に広げて入れます。
B残りの用土を鉢一杯(鉢の淵よりA〜Bcmのところまで)に入れます。
接ぎ目がやや隠れるようにしてください。
次に、株の周りにワラ、ピートモスを敷きます。翌朝、薬剤散布を行ってください。
*植えつけ後は水を鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えてください。
肥料のやり方
バラは「肥料の大食らい」と呼ばれるほど肥料好きです。一度に多く与えるのではなくて「いつも薄く効いている状態」にするのがベストです。
庭植えの場合
●元肥・・・・・12月・7月
●12月
堆肥または乾燥牛糞・・・・・スコップ2杯
油粕、骨粉、過燐酸石灰・・各100g
熔成リン肥・・・・・・・・・・・・・50〜100g
これらを株から40cm、深さ40cmのところの土と混ぜ込みます。(苗木には不要)
●7月
12月の半量を同様に与えます。
●追肥・・・・・3.6・9・11月
化成肥料を株元に一握りほどパラパラと与えてください。
鉢植えの場合
3月(苗木は不要)・・・・・・・・・ 月1回  化成肥料     茶さじ2杯
4月〜花が色付くまで・・・・・・ 月2回  1000倍液肥   1リットル
6〜9月・・・・・・・・・・・・・・・・・ 月1回  化成肥料     茶さじ2杯
                   月2回  1000倍液肥   1リットル

薬剤散布
バラは他の植物に比べて病害虫の発生が多いとされています。しかし、薬剤散布をきちんと行うことによって、ほぼ発生を抑えることが出来ます。
12〜2月  毎月1回    石灰硫黄剤
        うどんこ病・黒点病・アブラムシ
        ハダニ・カイガラムシ等春以降の
        様々な病害虫の発生を抑える
        ことが出来ます。

3〜11月   7〜10日おき
        うどんこ病・・・・・・・・・トップジンM水和剤など
        炭そ病。黒点病・・・・・マンネブ剤など
        カイガラムシ・・・・・・・・デナポン乳剤など
        アブラムシ・・・・・・・・・マラソン乳剤など

剪定の方法
[四季咲大輪系(HTローズ) 四季咲中輪房咲系(FLローズ) オールドローズ ミニバラ]
◆時期 : 2月上旬・9月上旬
 [剪定のポイント]
@いつも咲き終わった花は5枚葉を2〜3枚付けて切ります。(3枚葉の下からは良い芽が出にくいから)
A枯れ枝やマッチ棒のような細い枝を切り込みます。
B枝の中心部の枝を除去する。
C株の外側を向いている外芽の5mm上を切ります。
D剪定後、切り口と株全体に薬剤散布をします。
夏の剪定は
浅めに
(9月上旬)
春の剪定は
深く切る。
(2月上旬)
[つるバラ]
◆時期 :12月下旬〜1月
つるバラは、まだ花を付けたことのない新梢に多く花を付け、古い枝には花をつけません。そのため、
今年伸びた新梢を大切に育てて3年目より古い枝は根元から切り取ってください。
[剪定作業]
@昨年伸びた枝の剪定
   太い枝が出ているのでその先を切ります。
A2年前の枝の剪定
   今年の新梢が少ない時:@と同様に。
   今年の新梢が多い時:根元から切ります。
B今年の枝の剪定
   箸より細い枝先を切ります。
Cすべての枝
   箸より細い枝先は切ります。
誘引作業
フェンスなどに誘引します。太い枝はねじる様にゆっくりと、なるべく枝を水平に倒すと花付きが良くなります。
◆時期 :春の花後(6月)の枝の整理
@花がら切り
A仮誘引 地際から伸びた枝を刈り誘引し、
来年の枝として大切に育てます。
バラ栽培に揃えたい道具
 剪定バサミ  花がら摘みや枝の剪定に使う。枝が硬いので、剪定専用の鋏を用意しておくと便利です。
 剪定ノコギリ  庭で栽培していると、バラは木性なので枝が太く堅くなります。そこでノコギリを使い太い枝を切る。
 スコップ  植え付けのときに植え穴を掘るのに使います。スコップは自分の手になじんで物を使うとよい。
 移植ゴテ  小さな苗を植えるときに必要。小さめの植え穴は、スコップでは大きな植え穴になってしまう。
 ジョウロ  植えつけ後や通常の水やりのときにあったら便利です。はす口を使ってまんべんなく水を与えます。
 バケツ  植えつけ苗の根をバケツの水に浸けて、根を軟らかくします。植えつけ時の水溝への水やり。
 計量器  薬剤や肥料を計るために使います。2kgまでの料や液体の薬剤を計る計量カップやピペット。
 皮手袋  バラの作業には、トゲ対策が必要です。バラのトゲで傷つかないように革製品を使う。
 薄手の手袋  作業では手で感触が伝わるものも必要。薄いビニール手袋が安心。
 ゴム手袋  薬剤や肥料を計る時に便利です。またマルチングや水やり作業などに向いてます。
 軍手  苗の植え付けの作業に便利です。
 ビニタイ  枝を支柱に縛り付ける時に必要。ビニールに細い針金は行っている、ねじるでけで留めることが出来る。
 シュロなわ  太い枝や幹を支柱に縛りつける時に必要です。太いものより細いものが便利です。
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