語り部と歩く! 世界遺産・熊野古道ウォーク (中辺路)

紀伊山地の霊場と参詣道  神々の大地熊野を歩く
 神々の住む聖地であり、再生の地とされてきた、熊野への巡礼路「熊野古道」。古くから九十九王子のある熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社。那智代謝)への信仰の道として、かっては「蟻の熊野詣」と言われる程、多くの参拝者が往来しました。
今回、「中辺路」を、地元の語り部ガイドと一緒に歩き、熊野に息づく歴史や文化・自然を肌で感じながら、癒しの旅に出かけました。
 2012年6月23日(土)
集合:近鉄奈良駅噴水前 AM7:30
出発
:奈良観光バスにてAM7:30===阪奈道===宝来IC===第2阪奈道路===近畿自動車道松原JC経由===阪和自動車道===紀ノ川SA(WC休憩 AM8:40〜9:00)===阪和自動車道(田辺IC終点)===一般道(311号線)===第3回スタート地点滝尻王子到着(AM10:30

第3回 熊野古道ウォーク滝尻王子スタート(
AM11:00)・・・一乳岩・胎内くぐり(AM111:15)・・・不寝王子(AM11:25)・・・剣ノ山経塚跡(AM11:55)…展望台(PM12:15)・・・・針地蔵(PM12:55)…高原熊野神社(PM13:25)・・・・高原霧の里(PM13:35)ゴール到着
ゴール到着後昼食。
帰路ドライブイン古道の里中辺路駐車場(PM15:00)出発===一般道(311号線)===中田食品(PM15:20〜15:50ショッピングとWC)===一般道===阪和自動車道===岸和田SA(WC休憩PM17:10〜17:25)===松原JC===西名阪自動車道===天理IC===169号線===近鉄奈良駅前(PM18:30)到着
 
 
  第3回  滝尻王子〜高原霧の里                      歩行距離4km+バス駐車場2km
 今回は五躰王子の一つ滝尻王子から、いよいよ熊野三山の神域に入り、コースは短いながら滝尻王子からの急坂がしばらく続く難所のコースとなり途中胎内くぐり、藤原秀衡ゆかりの乳岩、不寝王子、針地蔵を経て熊野古道最古の社殿の残る高原熊野神社に至ります。 
世界遺産「熊野参詣道中辺路」の石標 滝尻王子境内
世界遺産「熊野参詣道中辺路」の石標 滝尻王子境内
滝尻王子
滝尻王子(たきじりおうじ)は、富田川と石船川が合流する地点にあります。熊野九十九王子社のうち最も重要視された社格の高い五体王子社にも数えられ、後鳥羽上皇の一行もこの社前で御歌会を催されたと伝えられます。杉木立に囲まれた小さな社殿に往時の姿が偲ばれます。
後鳥羽上皇の歌碑 剣ノ山峠にあった経塚
後鳥羽上皇の歌碑 剣ノ山峠にあった経塚
語り部さんから滝尻王子の説明を聞く スタート前に安全を祈願して滝尻王子に参拝
語り部さんから滝尻王子の説明を聞く スタート前に安全を祈願して滝尻王子に参拝
熊野古道中辺路起点標柱 熊野古道中辺路スタート入口の急坂を登る
熊野古道中辺路起点標柱 熊野古道中辺路スタート入口の急坂を登る AM11:00
藤原秀衡ゆかりの乳岩

乳岩

 奥州の藤原秀衡が夫人同伴で熊野参りに来た時、ここで夫人が急に産気づき、この岩屋で出産したという伝説があり、負債は赤子をここに残して熊野の向かったが、その子は、岩から滴り落ちる乳を飲み、狼に守られて無事だったので、奥州に連れて帰ったと伝えられている。そのこがせいちょうした、秀衡の三男の和泉三郎忠衡になったという話まである。
藤原秀衡ゆかりの乳岩 AM11:15


胎内くぐり

 滝尻王子の左側から、「熊野の霊域の入り口」といわれている熊野古道へ入っていきます。石段になっていて、かなりの急な上りです。約15分 ゆっくり上っていくと、古道に沿って横たわる巨大な岩があります。それには人ひとりがやっと通れる程の穴(岩と岩のすき間)があいていて、地元の人は、春秋のお彼岸の日には、この岩穴をくぐって山上にある亀石と呼ばれる石塔に参ったそうです。
 この岩穴をくぐることを、胎内くぐりとよばれ、女性が胎内くぐりをすれば安産になると信じられていました。女性は必ずこの胎内くぐりをして行ったそうです。
胎内くぐりを終えて
  胎内くぐりを終えて
不寝王子(ねずおうじ)

不寝王子(ねずおうじ)
 
 滝尻王子から熊野古道に入り急な坂道を400mほど登ったところの乳岩の少し上に不寝王子の跡とされる場所があります。不寝王子の名称は中世の記録には登場しませんので、九十九王子のうちに入らないと言われています。しかし、江戸時代の元禄年間頃に著された『紀南郷導記』では、ネジあるいはネズ王子と呼ばれる小さい祠の跡があると記され、不寝の字が当てられています。山賊の見張りを寝ずにしたということから名前が付いたという説もありますが、江戸時代にはすでに跡地になっていたようで、ネズの語源は明らかではないとされています。
 不寝王子(ねずおうじ) AM11:25  
不寝王子に向かう急坂道 不寝王子を過ぎ木の根道をゆく
不寝王子に向かう急坂道 不寝王子を過ぎ木の根道をゆく
剣ノ山峠に向かう登り坂 熊野古道中辺路標柱2(起点より1km)
剣ノ山峠に向かう登り坂 熊野古道中辺路標柱2(起点より1km)
 
 不寝王子からしばらく上り坂を歩いたところに剣ノ山経塚跡(つるぎのやまきょうづかあと)があります
剣ノ山経塚跡(経塚は滝尻王子境内に移転している)

剣ノ山経塚跡

 ここ剣ノ山の上は、古くから神聖な場所とされてきました。ここから熊野本宮大社にかけて九品の門が建ち、ここは最初の下品下生の門があったと言われています。この経塚跡は、経典を経筒に入れ、それを壷に納めて地中に埋めたところです。明治末期に盗掘され、ここから出た常滑製の壷のみが、いま古道館に陳列されています。滝尻王子の社前にある笠塔婆と言う石塔も、元はここにあったようで、経塚の上に立っていたといわれています。
剣ノ山経塚跡  
語り部さんから剣ノ山経塚跡の説明を聞く 世界遺産 熊野古道中辺路の道標
語り部さんから剣ノ山経塚跡の説明を聞く    AM11:55   世界遺産 熊野古道中辺路の道標
展望台への急な登り 展望台からの眺望高野山方面
展望台への急な登り 展望台からの眺望高野山方面  PM12:15 
アケビが実を付けて迎えてくれていた 熊野古道中辺路の昭和の石畳の道を歩いて
アケビが実を付けてウォーカーを迎えてくれていた 熊野古道中辺路で昭和の石畳の道を歩いて
紀三井寺への昔の道しるべ  語り部さんから針地蔵の伝説を聞く
紀三井寺への昔の道しるべ  語り部さんから針地蔵の伝説を聞く
針地蔵

針地蔵

 地域の人の話では、このお地蔵さんは、「歯」の守り神様で
歯が痛むとこの神にお願いし、痛みが直ったら針を3本立てて、鳥居を作って奉納したようです。
針地蔵   PM12:55  
本日最後の急坂 熊野古道中辺路標柱7(起点より3.5km本日最後)
本日最後の急坂 熊野古道中辺路標柱7(起点より3.5km本日最後)
高原熊野神社

高原熊野神社

 高原地区の産土神である熊野神社は、高原王子権現とも呼ばれ、熊野九十九王子には入っていませんが、古道に沿う歴史のある神社で、応永10年(1403年)の銘のある懸仏がまつられていることでも知られています。
 桧皮葺の建物は室町時代の様式を伝えていて熊野参詣道のなかで最も古い建物だといわれています。
 境内にある、楠は、樹齢1000年ほどと言われ、神社の歴史を物語っているように見えます。
 ※平成10年2月に社殿の改修が完了しました。

高原熊野神社          PM13:25  
 
高原熊野神社境内にある大楠木 高原熊野神社境内入り口付近にある庚申さん
高原熊野神社境内にある大楠木 高原熊野神社境内入り口付近にある庚申さん
 
第3回熊野古道中辺路ウォーク歩行距離やく4kmPM13:35高原霧の里にゴール。
 
高原霧の里から見える山々
高原霧の里から見える山々
 
本日のお昼ご飯

本日のお昼ご飯

 今日はいつものパックのお弁当ではなくて地元の方の炊き出しの鳥ご飯と煮物とお味噌汁でした。
ご飯お味噌汁はお変わりもできました。

御馳走様でした美味しく頂きました。
 昼食後PM14:10国道311号線沿いにあるバスが駐車をしているドライブイン古道中辺路まで高原霧の里より2kmの急な山道を下山。
ドライブイン古道中辺路駐車場を
PM15:00出発、途中、中田食品に立ち寄りショピング(PM15:20〜15:50)をしてバスにて帰路に向かう。